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2024年4~6月期統計 産業用ロボット受注に復調の兆し

一般社団法人日本ロボット工業会によると、2024年4~6月期のマニピュレータ、ロボットの受注・生産・出荷実績は、減少が続くものの減少割合は低下し、増加に転じる項目もあるなど、復調の兆しが見え始めている。

受注額は7四半期連続、
生産額は5四半期連続で減少

産業用ロボットの受注・生産・出荷額推移(出典 日本ロボット工業会)

一般社団法人日本ロボット工業会は7月、2024年4~6月期の「マニピュレータ、ロボット統計 受注・生産・出荷実績 2024年4~6月期【会員ベース】」を公開した。これは、同会の正会員と賛助法人会員対象企業による、産業用ロボットの月別統計調査を基にした実績をまとめたものだ。

2024年4~6月期の受注は、台数では前年同期比-13.1%の41,696台、受注額は-8.6%の1,798億円で、どちらも2022年末から7四半期連続の減少だった。また生産では、台数が前年同期比-27.5%の39,081台で2023年のはじめから6四半期連続の減少、生産額は-12.9%の1,763億円で5四半期連続の減少となっており、減少が続いて厳しい状況が見える。

しかし、受注額の減少割合は、6四半期ぶりに10%を下回っており、前四半期(1~3月期)と比べ13.7%増と、2022年のはじめ以来9四半期ぶりに増加に転じており、復調の兆しが見られる。

出荷全体としてはマイナスも
国内の自動車や電子部品関連では増加に

産業用ロボットの国内出荷・輸出額推移(出典 日本ロボット工業会)

出荷をみると、総出荷台数は前年同期比-29.4%の37,777台で6四半期連続の減少、総出荷額は-18.3%の1,669億円で5四半期連続の減少と、出荷台数・出荷額ともに大幅に減少している。

このうち、国内出荷台数は前年同期比-3.2%の8,665台で5四半期連続の減少、国内出荷額は-1.6%の416億円で2四半期連続の減少となっており、比較的減少割合が小さい。電気機械製造業向けは、台数が前年同期比-10.7%の2,831台、出荷額が-12.3%の133億円と減少している。しかし自動車製造業向けでは増加しており、台数が前年同期比+25.1%の2,759台、出荷額は+14.7%の129億円であった。

産業用ロボットの電子部品実装用輸出推移(出典 日本ロボット工業会)

一方、輸出は、台数が前年同期比で-34.7%の29,112台で6四半期連続の減少、輸出額は-22.6%の1,253億円で5四半期連続の減少と、どちらも前年同期より大幅に下がっている。溶接用では、輸出台数が前年同期比-52.1%の4,976台、輸出額が-52.4%の126億円となっており、どちらも3四半期連続と大きな減少であった。しかし電子部品実装用では、輸出台数が前年同期比+11.0%の3,327台、輸出額が+10.2%の529億円と増加している。

全体として減少が続いてはいるものの、増加している用途もあることから、復調への期待が持てると考えられるだろう。

地域別輸出内訳では、北米欧州は減少も
アジアや中国では増加

主要地域別輸出額推移(出典 日本ロボット工業会)

輸出の地域別内訳でも、増加している用途が見られた。マテリアルハンドリング用やスポット溶接用はアジアや欧米で大きく減少したが、実装用は中国を中心としたアジア向けで増加した。実装用での輸出額が増加したのは10四半期ぶりであり、半導体用も5四半期ぶりに増加に転じている。

アジアへの輸出額は、前年同期比-14.4%の81,801台であったが、大きく減少したのは中国への輸出であり、中国を除くアジア地域への輸出は-2.3%と微減となっている。また、前四半期からは増加しており、+11.9%と復調が見られる。

一方、北米 への輸出額は前年同期比-39.9%の20,262台、欧州への輸出額は-30.3%の21,564台と大きく減少しており、こちらは前四半期からも減少している。

依然として、産業用ロボットの生産や輸出は低迷しているが、世界的な自動化需要は高まっており、今後の受注回復が期待される。

DATA

日本ロボット工業会 四半期統計


取材・文/ダブルウイング

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