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【2024 年のロボットトレンド】人工知能の導入が活発に

ドイツに本部を置く国際ロボット連盟(IFR)は2月15日、2024年の自動化、ロボット技術の主要なトレンドトップ5を発表した。人工知能(AI)を導入する動きがこれまで以上に活発になりそうだ。

世界のロボット台数
約390万台に

人口1万人あたりのロボット台数は151台に

IFRは、2022年に世界で稼働しているロボットの台数が約390万台という新記録を達成したと発表した。人口1万人あたりのロボット台数(平均ロボット密度)は151台に達している。国際ロボット連盟が発表した2024年の自動化、ロボット技術の主要なトレンドを紹介する。

トレンド①
人工知能 (AI) と機械学習

1.特別なプログラミングスキルが不要に
ロボティクスや自動化技術への人工知能(AI)を使用する傾向は増え続けている。生成 AI の出現により、対話型AIサービス「Chat(チャット)GPT」などのツールが広く普及した。

ロボットメーカーは、ユーザーがコードを使う代わりに、自然言語を使用してロボットを直感的にプログラムできるAI 主導の生成インターフェイスを開発している。作業する側は、ロボットの動作を選択して調整するために、特別なプログラミングスキルは必要とされない。

2.予測 AI
もう 1 つの例は、ロボットのパフォーマンス・データを分析して、機器の将来の状態を特定して予測する AI 。連続的に機器の状態を計測・監視し、設備の劣化状態を把握または予知して部品を交換・修理する「予知保全」により、メーカーの機械のダウンタイムコストを節約できる。

自動車部品業界では、予期しない状況によって引き起こされる生産ラインや設備の一時的な停止、機器故障や部品不足、電力問題などで生産が一時的に中断され、生産効率の低下やコスト増加が生じる「計画外のダウンタイム」が発生すると、1 時間あたり130 万米ドルの損失が発生すると推定されている(情報技術イノベーション財団が報告)。

予知保全ができることにより、大幅なコスト削減が可能となる。機械学習アルゴリズムは、最適化のために同じプロセスを実行する複数のロボットからのデータ分析も可能だ。機械学習アルゴリズムに与えられるデータが多いほど、アルゴリズムのパフォーマンスは向上する。

トレンド②
新しい用途に拡大する協働ロボット

人間とロボットのコラボレーションは、ロボット工学の大きなトレンドとなっている。センサーやビジョンテクノロジー、スマートグリッパーの急速な進歩により、ロボットは環境の変化にリアルタイムで反応し、人間の作業者と共に安全に作業できるようになる。

協働ロボットの「アプリケーション(使い方)」は、重い物を持ち上げたり、反復動作を必要としたり、危険な環境での作業を支援など、その範囲は拡大し続けている。

最近、増加しているのは、熟練溶接工の不足による「コボット溶接」の需要だ。コボット(COBOT)と、はCollaborative Robotの略で、協働ロボットの意味。ヒトと同じ空間で作業を行い、モノづくりなどの生産性と作業性を向上させる役割を持つ。

自動化が労働力不足を引き起こすのではなく、労働力不足の解決手段を提供するのが自動化である。現在ロボットは、自動車や電気・電子製品などの製造業を中心に導入が進んでいるが、将来的にはそれ以外の製造業や非製造業にも拡大すると考えられる。

トレンド③ 
モバイルマニピュレーター

協働ロボットに特化した競合他社も次々と市場に参入している。協働ロボットアームと自律自走ロボット (AMR) とCOBOTを組み合わせたモバイルマニピュレーター、通称「MoMa」は、協働ロボットの需要を大幅に拡大する可能性のある新しい使用例を提供している。

MoMaは、自動車や物流、航空宇宙などの業界で、マテリアルハンドリング作業を自動化している。これらはロボットプラットフォームの機動性とマニピュレーターアームの器用さの両方を持ち合わせている。

これにより、複雑な環境をナビゲートし、目的物の操作を可能にする。センサーやカメラを搭載し、機械や設備の点検やメンテナンスを行えるロボットとして、製造分野のアプリケーションにとって非常に重要である。

モバイルマニピュレータの大きな利点の1つは、人間の作業者と協力してサポートできること。「熟練労働者の不足」「工場の仕事に応募する人員不足」により、今後ますます需要が増加する可能性がある。

トレンド④
デジタルツイン

「デジタルツイン テクノロジー」は、仮想レプリカを作成することで、物理的なシステムのパフォーマンスを最適化するツールとしての利用が増加している。工場ではロボットのデジタル統合がますます加速し、デジタルツインは運用中のデータを活用してシミュレーションし、それによって予想される結果の予測が可能だ。

ツインは純粋にコンピューターモデルとして存在するため、コストを節約しながら、安全性に影響を与えることなくストレステストや変更を行うことができる。デジタルツインは、デジタル世界とフィジカル(物理的)世界の間を橋渡しするものである。

トレンド⑤
人型ロボット

人型ロボット(出典 国際ロボット連盟)

ロボット工学は、さまざまな環境で幅広いタスクを実行するように設計されたヒューマノイド(人型)ロボットの著しい進歩を遂げている。 2 本の腕と 2 つの脚を備えた人間に似たデザインにより、ロボットは実際に人間のために作られた作業環境で柔軟に使用可能となる。既存の倉庫プロセスとインフラ整備にも導入でき、PCやスマートフォンのように、ヒューマノイドが人間のライフスタイルを一変させる可能性がある。

DATA

2024 年のロボットトレンド トップ 5


取材・文/脇谷美佳子

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