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政府が事業者向けの統合版「AIガイドライン」を策定 人間中心など10原則

経済産業省と総務省は4月19日、生成AI(人工知能)の急速な普及に対応するため、関連する既存のガイドラインを統合・アップデートし、「AI事業者ガイドライン」を取りまとめた。

人間中心など
10原則を掲げる

AI事業者ガイドラインの位置づけ(出典 経済産業省)

AI事業者ガイドラインの位置づけ(出典 経済産業省)

これまで、事業者向けのAIガイドラインは総務省が作成のものが2つ、経済産業省が作成したものが1つあった。総務省は2017年7月、AIシステムの開発に関する「AI開発ガイドライン」を策定し、これに続いて2019年8月にはAIの利活用に関する「AI利活用ガイドライン」を公表した。経産省は2022年1月に、AI事業者が実践すべき行動原則などについて「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン ver. 1.1」を策定している。

政府は、4月19日にAI戦略会議を開き、関連する既存のガイドラインを統合・アップデートし、「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を決定した。AIを活用する全ての人が守るべき原則として「人間中心」、「安全性」、「公平性」、「プライバシー保護」、「セキュリティ確保」、「透明性」、「アカウンタビリティ(説明責任)」、「教育・リテラシー」、「公正競争確保」、「イノベーション」の10原則を掲げている。

AIが生成する偽情報に
必要な対策を講じる

AI事業者ガイドラインの基本理念(出典 経済産業省)

AI事業者ガイドラインの基本理念(出典 経済産業省)

AIが生成する偽情報については、「AI が⽣成した偽情報・誤情報・偏向情報が社会を不安定化・混乱させるリスクが⾼まっていることを認識した上で、必要な対策を講じる」と明記した。インターネット上の偽情報・誤情報への対応を含む、デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方については、総務省で制度面も含め、表現の自由をはじめとする様々な権利利益に配慮した総合的な検討が行われ、2024 年夏頃にとりまとめが予定されている。

ガイドラインは、開発者だけでなくサービス提供者や利用者も対象となる。政府は、事業者の自主的な取り組みに委ねる方針だが、今後はAI戦略会議で、実効性を高めるための法規制についても検討する。

DATA

「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめました
 


取材・文/高橋健一

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