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7~9月期ロボット統計 8四半期ぶりに前年同期比で増加に転じる

日本ロボット工業会は、2024年第3四半期(7~9月期)の産業用ロボットの受注額を発表した。電子部品実装機や垂直多関節ロボットなどで回復の兆しがみられ、受注額、受注台数ともに8四半期ぶりに前年同期比で増加に転じた。

受注額は9.4%増
アジア向けの出荷は底打ち

受注・生産・出荷額推移(出典 日本ロボット工業会)

一般社団法人日本ロボット工業会は、産業用ロボット月別統計調査を基に、2024年7~9月期の会員ベースの産業用ロボットの受注・生産・出荷実績についての調査を発表した。それによると、7~9月期は、受注額が対前年同期比9.4%増加した。電子部品実装機は4~6月期に続き2四半期連続、対前年同期比で増加しており、底打ち感が鮮明になりつつある。垂直多関節ロボットを中心としたマニピュレーティングロボットも回復の兆しがあり、受注台数、受注額ともに8四半期ぶりに増加に転じた。

また、7~9月期の生産額は、対前年同期比で8.4%の減少で、6四半期連続の減少となった。しかし、生産額も電子部品実装機は4~6月期に続き2四半期連続で、対前年同期比で増加している。

国内向け出荷実績では、電気機械製造業向けが主要用途である電子部品実装用で減少しており、一方、自動車製造業向けが溶接用を中心に増加した。用途別では溶接用が大幅に増え、半導体用も下げ止まりとなった。また輸出向け出荷実績では、マテハン用やスポット溶接用が大幅に減少したが、実装用や半導体用は大幅に増加した。中国を除くアジア向けの輸出は増加が見られ、底打ちに向かう一方、欧米では減少が続いている。

受注台数、受注額ともに
8四半期ぶりの増加

構造形式別受注・生産額推移(出典 日本ロボット工業会)

7~9月期の受注台数は、4万1013台で前年同期比2.0%の増加となった。また、受注額は1,762億円で前年同期比+9.4%と、こちらも増加となった。受注台数、受注額ともに、実に8四半期ぶりの増加である。

構造形式別受注額をみると、マニピュレーティングロボット(垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直角座標ロボット等)、電子部品実装機(インサータ、マウンタ、検査装置等)ともに増加しており、マニピュレーティングロボットは106,894百万円、電子部品実装機は59,289百万円であった。

7~9月期の生産台数は、4万1386台で前年同期比12.7%の減少となった。また、生産額は1717億円で前年同期比マイナス8.4%と、こちらも減少となった。生産台数は7四半期連続の減少、生産額は6四半期連続の減少となっている。

構造形式別生産額をみると、生産額全体、マニピュレーティングロボットでは減少しているが、電子部品実装機では前年同期比で増加している。マニピュレーティングロボットは、101,607百万円、電子部品実装機は60,221百万円であった。

総出荷、輸出は減少
国内出荷は増加

国内出荷・輸出額推移(出典 日本ロボット工業会)

2024年7~9月期の総出荷台数は、43,283台で前年同期比10.3%の減少、総出荷額は1,810億円で5.8%の減少となった。総出荷台数は7四半期連続、総出荷額は6四半期連続の減少である。

国内への出荷では、出荷台数、出荷額ともに増加し、出荷台数は10,924台で前年同期比+11.2%であり、6四半期ぶりの増加となった。また、出荷額は502億円で+9.7%であり、3四半期ぶりの増加となった。一方、海外への輸出では、輸出台数が3万23599台と15.8%減少し、輸出額は1308億円と10.6%減少している。輸出台数は7四半期連続の減少、輸出額は6四半期連続の減少となった。

DATA

日本ロボット工業会 四半期統計
https://www.jara.jp/data/quarterly.html

取材・文/ダブルウイング

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