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再エネ100宣言 RE Action、中小企業の脱炭素化推進へ 積極的に政策提言

再エネ100宣言 RE Action(アールイーアクション)協議会は、2024年4月1日に一般社団法人となった。中小企業の再生可能エネルギー導入を推進するとともに、そうした企業の声を集約して社会や政治に届けたいとしている。

再エネ100宣言 RE Action
中小規模の企業、団体が参加

再エネ100宣言 RE Action協議会は2019年に設立

国際的な活動として、事業を100%再エネ電力で賄うことを目標とする企業連合である「RE100」が、2014年に結成された。
しかし、これに参加するには、日本企業では年間消費電力量が50GWh以上などの条件がある。消費電力量が少ない中小規模の企業や団体は、「RE100」の目的に賛同していても参加はできない仕組みとなっている。

そこで、2019年に発足したのが、再エネ100宣言 RE Action協議会だ。「再エネ100宣言 RE Action」とは、「RE100」と同じように、企業や自治体、教育機関、医療機関などの団体が使用電力を100%再エネに転換する意思と行動を示し、市場や政策を動かし再エネ100%利用を促進する枠組みのことである。
協議会の代表理事は、東京大学未来ビジョン研究センター教授の高村ゆかり氏。参加している374団体(2024年6月12日現在)のうち、約100団体が製造業である。総従業員数は約17万7000人、総消費電力量は1944GWh(2024年6月12日現在)にも上り、環境省や外務省など18団体がアンバサダーとして賛同・支援を表明している。

2024年5月に
一般社団法人化

2050年カーボンニュートラルを目指す日本の気候変動対策においては、「RE100」の枠組みの外にある中小規模の企業や団体の活動も、重要なものとなる。

こうした企業、団体の再エネ導入や脱炭素化を目指した取り組みを一層促進していくため、さらに発信力を高め活動の基盤の強化を進めていくことを目指し、再エネ100宣言 RE Action協議会は2024年5月に法人化を行った。前身組織の運営団体は引き続き新法人の運営に携わる。
また、「再エネ100宣言 REAction」参加団体の代表が理事に加わり、運営体制の強化と更なる発展を目指していく。

3つの活動で
再エネを使いやすい環境づくりを目指す

今後の活動の柱は3つ。
1つめは、中小企業の再エネ導入を推進するため、再エネを導入しやすくなるような市場や施策の実現を目指すことだ。いまや再エネの導入状況は、サプライヤーを選ぶ上で重要な要素となっている。
再エネの導入が進まないとサプライチェーンから排除されるリスクも生じるが、中小企業が再エネを導入する際の支援制度は、十分とはいえない。再エネ100宣言 RE Action協議会は、中小企業の再エネ導入を推進するため、企業の要望などを政治や社会に届け、再エネの導入がしやすくなるような市場や施策の実現を目指していく方針だ。

2つめは、議員やエネルギー分野の検討委員などの政策決定者に「再エネ100宣言 REAction」の参加団体のデータや要望を集約した情報を提供すること。再エネ100宣言 RE Action協議会は、参加団体による消費電力量や再エネ比率の年次報告をもとに、再エネ需要や調達の実践例、課題、要望といったデータを年次報告書や事例集として公開している。

3つめとして、「追加性」のある再エネの導入の拡大を推進していくことを挙げている。RE100と再エネ100宣言 RE Action協議会はともに、再エネ電力の購入によった、新たな再エネ発電設備の導入が進むという「追加性」を推奨している。
再エネ100宣言RE Action協議会では、企業が追加性への認識や理解を深めるためのウェブセミナーの開催や資料の作成に取り組んでいる。

再エネ100宣言 RE Action協議会の金子貴代さんは、「再生可能エネルギーを使いやすい環境づくりを国や関係機関に要望し、再エネをリーズナブルに、かつ安定に調達することができる市場や施策の実現を求めていきます」と意気込む。中小企業にも再エネ導入がますます進むことが期待される。

DATA

一般社団法人再エネ100宣言 RE Action協議会は再エネ導入に取り組む団体の声を社会や政治に届けます!


取材・文/ダブルウイング

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