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全国衛生週間に向けて9月1日から準備期間スタート

働く人の健康管理や職場環境の改善などを目的に、全国衛生週間が今年も10月に実施される。その周知を図るための準備期間が9月1日からスタートしている。中央労働災害防止協会は、厚生労働省とともに企業の労働衛生管理活動をサポートする。

今年のスローガンは
推してます みんな笑顔の健康職場

全国労働衛生週間は、働く人の健康管理や職場環境の改善、労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な労働衛生管理活動の促進を通して労働者の健康を確保することを目的に実施するもので、今年で第75回を迎えます。9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間として、労働衛生水準の向上および労働衛生意識の高揚を図る取り組みを展開します。

今年のスローガンは 「推してます みんな笑顔の健康職場」で、働く上で基本となる健康の確保を推進することによって、誰もが笑顔で快適に働くことのできるような、愛される職場づくりを目指していくことを表しています。

中央労働災害防止協会(中災防)は、厚生労働省とともに主唱者として、令和6年度全国労働衛生週間実施要綱に基づいて事業場に各事項の実施を促し、企業の労働衛生管理活動をサポートします。

準備期間に実施すべき
主な重点事項

1. 過重労働による健康障害防止のための総合対策
時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の導入などによる、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進。過重労働対策の実施。労働安全衛生法に基づく労働時間の状況把握や長時間労働者に対する医師の面接指導等の徹底。健康診断の適切な実施と異常所見者の業務内容に関する医師への情報提供、事後措置の徹底など。

2.メンタルヘルス対策の推進
「心の健康づくり計画」の策定・評価・改善。セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケアの推進。労働者が安心して健康相談を受けられる環境の整備。ストレスチェック制度の適切な実施と結果の集団分析を通じた職場環境改善。メンタルヘルス不調の予防から早期対応、職場復帰支援までの総合的な取組の実施。

3. 転倒・腰痛災害の予防
身体機能の低下等による労働災害の発生を考慮したリスクアセスメントの実施、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドラインに)基づく、事業場の実情に応じた施設、設備等の改善、体力低下等の高年齢労働者の特性を考慮した作業内容等の見直し、労働者の気付きを促すための体力チェックの活用。若年期からの身体機能の維持向上のための取り組みの実施、転倒・腰痛予防体操の実施など。

4. 化学物質による健康障害防止対策
特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則等の特別規則の遵守の徹底、金属アーク溶接等作業における健康障害防止対策の推進。化学物質を含む製剤等を出荷する際のラベル表示・安全データシート(SDS)交付等の徹底及びユーザーが購入した際のラベル表示・SDS交付等の状況の確認。化学物質取り扱いに関する教育の実施。SDS 等による危険有害性に基づくリスクアセスメントの実施と保護具の使用の徹底。特殊健康診断による健康管理を徹底。塗料の剥離作業における健康障害防止対策の徹底など。

5. 石綿による健康障害防止対策
建築物等の解体・改修工事における石綿ばく露防止対策の徹底とこれらの対策の実施に対する発注者による配慮の推進。吹付け石綿等が損傷、劣化し、労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における吹付け石綿、石綿含有保温材等の除去、封じ込め等の徹底。封じ込め、囲い込みがなされていない吹付け材、保温材等の石綿使用の有無の調査など。

6.治療と仕事の両立支援対策の推進
事業者による基本方針等の表明と労働者への周知、研修等による両立支援に関する意識啓発、相談窓口等の明確化、両立支援に活用できる休暇・勤務制度や社内体制の整備など。

DATA

全国労働衛生週間の準備期間が始まりました
 


取材・文/高橋健一

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