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日本ロボットシステムインテグレータ協会 ものつくり大学と協力して人材育成

日本ロボットシステムインテグレータ協会とものつくり大学(埼玉県)が今年4月、包括連携協定を締結した。中小企業を中心としたロボットSIer人材の不足や生産性向上などの課題の解決を目指す。

(アイキャッチ画像 協定締結の様子 出典:ものつくり大学)

地域社会の発展と
人材育成に貢献

埼玉県行田市のものつくり大学(出典 ものつくり大学)

一般社団法人日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)は、ロボットを中心とした工場の自動化(FA=ファクトリーオートメーション)などを扱うロボットシステムインテグレータ企業(SIer)による業界団体だ。「ロボットSI検定」や、10代の若者を対象とした「ロボットアイデア甲子園!」などによって、ロボットシステムインテグレータ(SI)の周知や育成を進めている。

同協会は今年4月、ものつくり大学と包括連携協定を締結した。協定書締結式には、SIer協会の幹部やものつくり大学の教職員ら12名が参加し、活発な意見交換が行われた。

埼玉県行田市にあるものつくり大学は 、技能工芸学部情報メカトロニクス学科と建設学科の2学科がある。2001年の開学以来、実習やインターンシップを重視して、知識と技能を兼ね備えた技術者である「テクノロジスト」の育成を掲げている。

今回の包括連携協定は、地域社会の発展や人材育成への貢献を目的とし、学生教育や企業向けロボットSI人材の育成などの取り組みを行うとしている。これにより各産業で中小企業を中心に広がっている人手不足の解消や、生産性向上などの社会課題の解決を目指す。

社会課題解決を目指し
相互協力

ロボットを使った実習(出典 ものつくり大学)

具体的な取り組みとして検討されていることは、ものつくり大学の授業にSIer協会加盟企業から講師を派遣することを中心とした学生教育だ。SIer協会加盟企業が、工場見学やインターンシップに学生を受け入れることも検討している。学生はロボットに関する知見を深めることができ、企業で実際に働くことで社会に貢献する、卒業後に即戦力となることも期待できる。

またSIer協会によるセミナーの開催や研究会などへの講師派遣、教材提供によって、ロボットSI人材の育成を行うことも検討している。中小企業を中心とする製造業へのロボット導入を支援することで、生産性の向上が進み、卒業後の「テクノロジスト」が活躍できる場も広がることになるだろう。

ロボットを使いこなす
人材確保が課題

ものつくり大学のある埼玉県は、 製造業の事業所数が全国第3位 を誇る。なかでも、金属製品や生産用機械、プラスチック製品などの製造をしている事業所が多い。 設備投資への意欲 も年々高まりを見せており、製造業へのロボットなどの導入が進んでいくと予想される。

中小企業庁の2023年版「中小企業実態基本調査 」によると、2020年以降、製造業で設備投資を行った中小企業は約3割で推移しており、ロボットなどの導入によるFAを順次進めている様子が推察できる。しかし、生産性向上のためのロボットを使いこなす従業員の不足に悩む企業も少なくない。

SIer協会
教育機関との連携を推進

SIer協会が大学などの教育機関と連携協定を締結するのは今回が初めて。同協会の高本治明専務理事は「ロボットを使いこなす人材の育成を進めるため、今後も全国の大学、高専、工業高校などの教育機関との連携を進めていきたい。それと併せて、産業用ロボットの新たな使用法を考える『ロボットアイデア甲子園!』などのイベントを若い世代の人達に広くアピールしていきたい」と話している。

ものつくり大学とSIer協会の連携協定は、企業へのロボットの導入支援に始まり、そのロボットを使用できる人材の育成やスキルの向上によって、製造業のさらなる生産性の向上に貢献することが期待される。

DATA

ものつくり大学と包括連携協定を締結
https://www.farobotsier.com/news/240423.html

ものつくり大学と一般社団法人日本ロボットシステムインテグレータ協会との包括連携協定を締結しました
https://www.iot.ac.jp/newsletter/20240426/

 


取材・文/ダブルウイング

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