2月の鉱工業生産0.1%減 輸送機械工業や自動車工業が落ち込む
2024/03/29
経済産業省が3月29日公表した2月の鉱工業生産指数速報は、前月比0.1%低下し、2ヶ月連続のマイナスとなった。工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業などが落ち込んだことから、全体として低下している。
1. 2024年2月の鉱工業生産は前月比マイナス0.1%
2. 2月の鉱工業生産を7業種が低下、8業種が上昇
3. 2月の鉱工業在庫率も2ヶ月低下
2か月連続
前月比マイナス
鉱工業生産指数の動向と先行き(出典 経済産業省)
2024年2月の鉱工業生産は、季節調整済指数97.9、前月比マイナス0.1%となった。これまでの生産の動向については、2023年11月は、汎用・業務用機械工業や電気・情報通信機械工業などの影響により低下していが、12月は、汎用・業務用機械工業を中心に多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇した。
その後、2024年1月は、工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業を中心にほとんどの業種が低下したことから、全体として低下した。こうした中、2月は、引き続き、工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業等が低下したことから、全体として2ヶ月連続で低下した。
7業種が前月比低下
8業種が上昇
鉱工業生産指数を大きく動かした品目(出典 経済産業省)
2月の鉱工業生産を業種別にみると、全体15業種のうち、7業種が低下、8業種が上昇という結果だった。低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や普通トラックなどが主な低下要因となっている。これらについては、工場稼働停止などの影響を受けて、低下したものと考えられる。
生産在庫は
7ヶ月ぶりに上昇
鉱工業在庫率の動向(出典 経済産業省)
2月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数99.7、前月比マイナス5.5%と、2ヶ月ぶりの低下となった。業種別にみると、全15業種のうち、14業種が低下、1業種が上昇している。
基調判断は
「一進一退ながら弱含み」に据え置き
先行きに関しては、企業の生産計画では、3月と4月はともに上昇を見込んでおり、3月の補正値は前月日4.5%の上昇を見込んでいるものの、1月と2月のマイナス幅を取り戻す動きとはなっておらず、ならしてみると一進一退の傾向は継続する中で弱含みの状態にあると考えられる。
こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の2月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に据え置く。今後は、世界経済の影響や自動車工業における工場稼働再開の状況などについて、注視していくとしている。
DATA
取材・文/高橋健一