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1月の鉱工業生産7.5%減、自動車減産で基調判断を下方修正

経済産業省が2月29日公表した1月の鉱工業生産指数速報は、前月比7.5%低下し、2ヶ月ぶりのマイナスとなった。自動車工場の稼働停止などによるもので、基調判断を従来の「一進一退」から、「一進一退ながら弱含み」に下方修正した。

2か月ぶりに
前月比マイナス

鉱工業生産指数の動向と先行き(出典 経済産業省)

これまでの生産の動向については、2023年9月は、堅調な自動車工業等の影響により上昇し、10月は、化学工業(除.無機・有機化学工業)等の影響により上昇していたが、11月は、自動車工業や電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業等の影響により低下していた。

その後、12月は、汎用・業務用機械工業を中心に多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇している。こうしたなか、今年1月は、これまでの上昇の反動に加えて、工場稼働停止などの影響を受けて、自動車工業を中心にほとんどの業種が低下したことから、全体として、2か月ぶりに低下した。なお、マイナス7.5%という前月比の低下幅は、新型コロナウイルス感の影響が急拡大していた2020年5月(マイナス8.0%)以来の水準となっている。

14業種が前月比低下
1業種が上昇

鉱工業生産指数を大きく動かした品目(出典 経済産業省)

1月の鉱工業生産を業種別にみると、15業種のうち、14業種が低下し、1業種が上昇した。1月は、工場稼働停止などの影響による自動車工業の低下に加えて、これまでの上昇の反動などを受けて、ほとんどの業種が低下したことから、全体として低下している。

低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や駆動伝導・操縦装置部品などが主な低下要因となっている。工場稼働停止などの影響を受けて、低下したものと考えられる。また、次に低下寄与度の大きかった汎用・業務用機械工業は、一般用蒸気タービンや分析機器等が主な低下要因となっている。一般用蒸気タービンについては、前月に大規模な取引があった反動などを受けて、分析機器については、水準としては高いものの、医療用の受注が減少したことなどから、低下したものと考えられる。

生産在庫は
2ヶ月連続の低下

鉱工業在庫率の動向(出典 経済産業省)

1月の鉱工業在庫は、季節調整済指数101.0、前月比マイナス1.8%と、2か月連続の低下となった。業種別にみると、15業種のうち、9業種が低下、4業種が上昇、2業種が横ばいとなっている。低下寄与度の最も大きかった自動車工業は、普通乗用車や普通トラックなどが主な低下要因となっている。

基調判断は
「一進一退ながら弱含み」に引き下げ

先行きに関しては、企業の生産計画では、2月と3月はともに上昇を見込んでおり、2月の補正値は前月比0.8%の上昇を見込んでいるものの、1月の大きなマイナス幅を取り戻す動きとはなっておらず、ならしてみると一進一退の傾向は継続するなかで弱含みの状態にあると考えられる。

こうした状況を踏まえ、経産省は鉱工業生産の1月の基調判断について、「一進一退ながら弱含み」に引き下げた。「今後は、世界経済の影響や自動車工業における工場稼働停止の影響などについて、注視していく」としている。

DATA

鉱工業指数、製造工業生産予測指数


取材・文/高橋健一

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