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経済産業省、DXセレクション2025の募集開始 改定したデジタルガバナンス・コードへの対応を評価

経済産業省は、デジタル技術を活用して企業や社会を革新する優良事例を表彰する「DXセレクション2025」の募集を開始した。今年9月に改定した新しいデジタルガバナンス・コードに対応した取り組みを評価する。

<目次>
1.DXセレクション 2022年にスタート
2.DXセレクション2024の受賞企業
3.12月23日まで応募を受け付け

 

DXセレクション
2022年にスタート


「DXセレクション2024」グランプリを受賞した浜松倉庫(出典 浜松倉庫)

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用して企業や社会を革新する取り組みだ。経産省は2020年11月に、企業のDXに関する自主的取り組みを促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応を「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめた。

22年に開始された「DXセレクション」は、優良事例の選定・公表を通じ、地域内や業種内での横展開を図るのが目的だ。これにより中堅・中小企業などにおけるDX推進や各地域での取り組みの活性化につなげていく。

「DXセレクション2024」では、グランプリ、準グランプリ、優良事例の3つ合わせて全国から計32社が選ばれた。最も優秀な取り組みを表彰するグランプリには、倉庫・運送業などを手掛ける浜松倉庫(静岡県浜松市)が選ばれた。同社は15年から若手管理職を中心としたDXプロジェクトをスタート。ボトムアップ、社員の意識改革、サプライチェーン全体を見通した業務改革を行った。基幹システムの刷新によって、生産性を30%向上させたほか、従業員の業務改善能力の向上につなげた。

DXセレクション2024の受賞企業

グランプリ
・浜松倉庫(倉庫・運送業、静岡県浜松市)

準グランプリ
・リノメタル(金属加工業、埼玉県八潮市)
・トーシンパートナーズホールディングス(不動産業、東京都武蔵野市)
・西原商事ホールディングス(廃棄物処理業、福岡県北九州市)
・山口産業(製造業、佐賀県多久市)

12月23日まで
応募を受け付け

「DXセレクション2025」は11月1日から募集を開始している。エントリーにあたっては、デジタルによって自らのビジネスを変革するためのビジョン・戦略・体制などが整った事業者として経産大臣が認定する「DX認定」を取得していることが望ましい。取得済み企業についてはDX認定レベルを確認する調査項目への記載を免除し、自薦での応募が可能だ。過去にDXセレクションに選定された事業者(グランプリや準グランプリなども含む)や、過去に応募をされた事業者も再度応募ができる。

DX認定を取得していない企業が応募するには、DX認定を取得するという自己宣言を必須としたDX認定レベルを確認する審査項目への回答とともに、関係機関(地方公共団体、商工会議所などの経済団体、金融機関、教育機関など)からの推薦が必要だ。

DXセレクション2025では、審査項目として「デジタルガバナンス・コード」に対応する取り組みが評価される。このコードは今年9月に改訂され、データ活用・連携やデジタル人材の育成・確保、サイバーセキュリティなどの重要性を強調し、「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」にアップデートしている。

応募方法は、応募用紙の必要事項に回答して応募専用メールアドレスに送付する。有識者による審査を経て、DXセレクションを選定する。2次選考で別途プレゼンテーションなどの対応が求められる場合もある。応募の締め切りは2024年12月23日となっている。

DATA

経済産業省「DXセレクション2025」の募集を開始


取材・文/横山渉

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