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製造現場の「スマート化」の実像を日本自動車機械器具工業会に聞いた!

材料価格の高騰や人手不足など多くの課題を抱える製造現場では、IoT化とどのように向き合っているのか。本誌が行った、工場のIoT化についてのアンケートから、第1弾として日本自動車機械器具工業会の回答をレポートする。

IoT化への関心高く
自社の方法を模索の段階

JAMTA(ジャムタ)の略称で知られる日本自動車機械器具工業会は、自動車の製造や整備で使われる機械・工具・洗車機などのメーカーが加入する団体。東日本・中部・関西地域を中心に55の会員企業が加入している(2023年5月現在)。正会員のうち、8割超が中小企業だ。「人員の限られた中小企業では、別の業務の担当者がIoT化を担当することもしばしば。専門知識を深めたり、補助制度について調べたりする時間を確保するのにハードルを感じることも多いようです」と事務局長代理の村上和広氏は話す。

実際にスマートファクトリー化を進めている会員企業はまだ少ないものの、IoT化による生産性の向上についての関心は高いという。なかでも、在庫管理や商品の配置、自動搬送、ピッキングの効率化などが注目されている。「先日、スマートファクトリーの先進企業を視察する勉強会を開催したところ、10社30名以上が集まりました。IoT化では、定型的なシステムを導入するのではなく、自社の課題に適したシステムをオーダーメイドしなければなりません。他社の成功事例を参考にしながら自社に適したIoT化を模索して、導入を進めていきたい」と今後の展望を語った。

スマートファクトリー化の現状は?

これから取り組む企業が大半
一部の企業は既にIoT化に取り組んでいるものの、中小企業では、今から知識を深めて取り組みを検討するケースがほとんどだという。

スマートファクトリー化の目的は?

主眼は「生産性の向上」
在庫管理や商品の配置、自動搬送、ピッキングなどの効率化を通じて、生産性の向上を目指したいと考えている会員企業が多い。

スマートファクトリー化の課題は?

専門知識を持った人材や情報の不足
IoT化の専門人材を配置するのが難しい中小企業の場合、スマート化に必要な知識や情報を得ることにハードルを感じている。

行政機関に望むことは?

事務手続きなどをシンプルに
限られた人員でIoT化を進めるには、支援制度などを活用する際の事務手続きはできる限り簡素なものが望ましいという。

今後のスマート化の展望は?

成功事例から自社に適した方法を学びたい
先行する他社の成功事例を広く学び、自社にはどのような取り組みが適しているのか模索していきたいとしている。

PROFILE


一般社団法人日本自動車機械器具工業会
1959年設立。自動車製造や整備に使用する機械・工具・洗車機や、修理・車検のためのスキャンツールなどのメーカーによる業界団体。


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

FACTORY JOURNAL vol.1(2024年冬号)より転載

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