【JIMTOF2024リポート④】AIを活用して加工工程の自動化と加工コストの削減を実現
2024/11/26
2024年11月5日(火)~10日(日)、世界4大工作機械見本市の一つである「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」が、東京ビッグサイトで開かれた。展示されたソリューションのなかから、AIを活用して加工工程の自動化と加工コストの削減を実現するソリューションを紹介する。
最先端の技術・製品が
世界中から集結する総合見本市
過去最大規模の1262社が出展したJIMTOF2024
JIMTOFは工作機械やそのあらゆる周辺機器が一堂に会する、ものづくりの総合見本市だ。最先端の技術・製品が世界中から集結し、世界4大工作機械見本市の一つに数えられている。多くの出展者がJIMTOFに合わせて新製品の開発を行うなど、最先端技術がいち早く発表される場として、世界各国・地域の業界関係者より高く評価されている。景況に左右されることなく、近年のJIMTOFは継続的に10万人以上の来場者をお迎えしており、高く安定した集客力には定評がある。業界最先端の技術者会議から業界トップが経営戦略を語る講演会・セミナーが開催され、JIMTOFは専門性の高い情報が飛び交う併催企画も充実している。
JIMTOFには製品購入権限のある役員・購買責任者や、実際に製品を取り扱い、購入に関与する方々が多数来場する。直接、製品・技術をアピールし、具体的な商談をスタートさせるチャンスだ。JIMTOF2024には、前回を上回る過去最大規模の1262社が出展した。
AIを活用して加工工程の自動化と
加工コストの削減を実現
三菱電機の展示ブース
三菱電機は、AIを活用して加工工程の自動化と加工コストの削減を実現するNC加工AI診断ツール「NC MachiningAID」をJIMTOF2024に出展した。NC MachiningAIDは、AIや機械学習、IoT技術を活用して金属切削の加工状態を診断するソフトウェアだ。データを独自技術で収集・分析することで加工異常の検知や工具運用の最適化などが行える。熟練技術の再現やサイクルタイム短縮、工具などの廃棄物削減、人的労力や運用コストの低減など、製造現場のさまざまな課題の解決につなげられる。
NC MachiningAIDには「加工異常検知」「工具摩耗検知」「作業ミス検知」の3つの機能がある。「加工異常検知」は、加工直後に加工異常を検知して加工不良を発見する機能だ。「工具摩耗検知」機能は、工具の摩耗状態をデータに基づいて診断して工具の交換時期を最適化する。「作業ミス検知」は作業ミスによる不良品生産のリスクを低減する機能だ。NC MachiningAIDは、加工工程ごとに工作機械の稼働状況や加工物を監視して、複数工具・複数系統による同時加工を診断する。診断機器の構成もシンプルで、同社のWindows搭載NCであればソフトウェアをインストールするだけで使用できる。Windowsを搭載していない機種でも、PCを機械盤内に設置し、NCと接続することで動作させられる。三菱電機のNCのオプション機能として展開する計画だ。
DATA
取材・文/ 高橋健一