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国内スマートファクトリー化の推進体制を調査 推進業者の8割が成果を実感

村田製作所はこのほど、国内の製造業従事者11,084名に対し「スマートファクトリー化」についての調査を実施し、その結果を公表した。現状スマートファクトリー化の取り組みを実施中という回答は2割にとどまる一方で、その大半が成果を実感していることが分かった。

成功の要因は
トップの理解と専門部隊の設置

村田製作所はまず、製造業従事者11,084名に対しスマートファクトリー化の実施の有無を調査。このうち、「実施している」と回答したのは22.9%にとどまり、「実施を検討している」と回答したのは15.2%、現時点では約6割の企業がスマートファクトリー化を実施していないことが分かった。

スマートファクトリー化の取り組み(出典 村田製作所)

次に、実際に自社のスマートファクトリー化に携わる500名に対し、その実情を探る調査を実施。取り組みの内容については、「デジタル技術(IT/OT)の活用により業務の標準化やノウハウの見える化の精度を向上させ、技術継承に役立てている」と回答したのが47.6%と最も多く、僅差で「製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用している」47.4%と続き、「デジタル技術(IT/OT)を活用して設備稼働率改善や生産プロセス短縮を行っている」46.0%となった。この結果から、複数の取り組みを組み合わせてスマートファクトリー化を進めている企業が多い実態が見えてきた。

スマートファクトリー化の推進体制(出典 村田製作所)

スマートファクトリー化推進の体制については、「すべて自社内で実施している」と回答したのが3割未満にとどまる結果となり、スマートファクトリー化を自社のみで推進することの難しさが窺える。

スマートファクトリー化の効果として、86.0%が成果を実感していると回答。成果を実感していると回答した430名に成功の要因を尋ねると、「スマートファクトリー化に対するトップの理解(トップダウンの方針含む)」67.7%、「専門部隊の設置」53.0%と回答し、推進を成功させる上でのポイントが得られた。一方で、成果を感じていない70名は、主に「データ分析・予測」「データ収集・蓄積」でつまずいていることが分かった。

だが、現在進めているスマートファクトリー化の取り組みを今後も継続したいとの回答は9割を超えていた。このことから、今後もスマートファクトリー化が進むことが予想される。

DATA

国内製造業向けにスマートファクトリー化(製造業DX)に関する調査を実施 ~「すでに取り組み中」の回答は2割にとどまるが、その多くは成果を実感~


取材・文/ファクトリージャーナル編集部

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