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物流の働き方を変える ロボット「PEER 100」が広げる現場革命

人手不足や省人化が課題となる物流現場に、自律型協働ロボットの活用が進んでいる。GROUNDは、日本通運が推進する「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトにAMR「PEER 100」を導入。広大な物流施設内の無人搬送支援により、作業負担軽減と多様な人材の活躍を支える。

物流業界の人手不足や省人化の課題解決に向け、自律型協働ロボット(AMR)の活用が加速している。GROUNDは、日本通運が推進する「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトに、自社開発のAMR「PEER 100」を導入。施設内の無人搬送を支援し、作業負担軽減と働きやすい環境整備に貢献する。今回の取り組みでは、わずか5日間で稼働開始を実現し、多様な人材が物流現場で活躍できる環境づくりを推進している。物流現場のDX化とスマート化が求められる中、AMRの導入は今後さらに拡大が見込まれる。

以下、GROUND株式会社のプレスリリースより

GROUNDの自律型協働ロボット「PEER 100」
日本通運の「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトに採用

GROUND株式会社
2025年3月25日 11時00分

広い施設内での搬送を支援し、多様な人材が働きやすい環境整備に貢献

日本のLogiTechをリードするGROUND株式会社(読み:グラウンド、本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO:宮田 啓友、以下「GROUND」)は、自律型協働ロボット(AMR)「PEER 100」を、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループ会社、日本通運株式会社(以下「日本通運」)に導入したことをお知らせします。
本導入は、日本通運が推進する「誰にもやさしい倉庫(NX Universal Harmonious Work Warehouse)」プロジェクトの一環として実施され、広い施設内での搬送を支援するものです。

■「PEER 100」導入の背景
少子高齢化による労働力不足や、EC(電子商取引)の拡大に伴う物流需要の増加により、物流業界では生産性向上と人材確保が喫緊の課題となっています。

日本通運では、先進的なロジスティクスロボットや作業補助機器の導入を通じ、と職場環境の整備を通じて、これまで働くことが困難だった人々の障壁を取り除くことを目指す「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトを推進しています。この取り組みでは、電動車いす、追従ロボット、AMR(自律走行搬送ロボット)を活用し、最先端の物流施設の構築を目指しています。

■「PEER 100」の導入による効果
今回導入されたGROUNDの自律型協働ロボット「PEER 100」3台は、物流施設内のピッキング作業や工程間搬送を支援するAMRです。本プロジェクトでは、広い施設において、ステーションから出荷場所までの無人搬送を行うことで、スタッフの歩行距離を削減し、作業負担の軽減に貢献します。また、「PEER 100」を含むさまざまなソリューションを組み合わせることで、歩行が困難な方も施設内作業を行える環境を実現しました。

■ 自律型協働ロボット「PEER(ピア)」シリーズの特長

1. 柔軟な導入が可能
AGV(無人搬送車)は、磁気テープやQRコードなどの誘導体を必要としますが、「PEER」シリーズはSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載しており、施設内の環境をリアルタイムで認識しながら最適なルートを選定し、自律走行できます。レイアウトの変更にも柔軟に対応し、固定の経路を設けることなく、自由な動線での搬送が可能です。

2. 簡単な操作と迅速な導入が可能
「PEER」シリーズは、Wi-Fi環境下で稼働し、タブレットやPCの専用インターフェースを通じて簡単に操作・管理が可能です。また、AGVのような大掛かりな導入工事が不要なため、短期間での導入が可能となっています。

本プロジェクトでは、新たにメッシュ型無線アクセスポイント※を設置し、有線LAN敷設工事を不要にすることで、工期の短縮や工事費の削減を実現しました。「PEER 100」の導入から稼働開始までをわずか5日間で完了しました。
※PicoCELA社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:古川浩)の「PCWL-0500」を採用

3. 安全性能の向上
「PEER」シリーズは、複数のセンサー(LiDAR、カメラ、超音波センサー)を搭載し、周囲の人や障害物を検知しながら安全に移動することができます。特に、施設内での混在環境に適した設計となっており、作業員が行き交う中でもスムーズな搬送が可能です。

4. 効率的なバッテリーマネジメント
「PEER」シリーズは、長時間稼働が可能なバッテリーを搭載し、自動充電機能により常に最適な運用が可能です。1回の充電で8~10時間の連続稼働が可能であり、稼働状況に応じて最適な充電タイミングを自律判断します。

自律型協働ロボット「PEER」シリーズ詳細:
https://www.groundinc.co.jp/services/robot/peer_speemaplus/

■ 今後の展望
GROUNDは、2024年より自社開発の物流施設統合管理・最適化システム「GWES」をNXグループのグローバル標準倉庫管理システムと連携し、人員配置と在庫配置の最適化を支援しています。今後も「PEER」シリーズのさらなる導入を進め、本プロジェクトの複数拠点展開を支援するとともに、多様な従業員が働きやすい環境の整備に貢献してまいります。

■ GROUND株式会社について
GROUNDは、「すべての人にとって永久に持続可能な物流の未来へ」をコーポレートビジョンに掲げ、AIやロボットなどの先端技術を活用した物流ソリューションを開発・提供するLogiTech企業です。
物流オペレーションの最適化とDXを推進するため、自社開発の物流施設統合管理・最適化システム「GWES」や、自律型協働ロボット「PEER」シリーズをはじめとするロボティクスソリューションを提供し、物流現場の生産性向上やコスト削減に貢献しています。大手物流事業者や製造業の物流施設で導入が進んでおり、労働力不足や作業負担の軽減、業務効率の向上といった課題解決を支援しています。

 社名:    GROUND株式会社
 事業概要:  テクノロジーを活用した物流ソリューションの提供
 設立:    2015年4月
 所在地:   東京都千代田区神田須田町1-3-33 Bizflex神田10F
 代表者:   代表取締役社長 CEO 宮田 啓友
 資本金:   1億円(2024年6月末)
 URL:    https://www.groundinc.co.jp

GROUND代表 宮田 啓友プロフィール

上智大学法学部法律学科卒。1996年三和銀行(現:三菱UFJ銀行)入行。2000年デロイトトーマツコンサルティング入社。大手流通業を中心にロジスティクス・サプライチェーン改革プロジェクトに従事。2004年アスクル株式会社入社。ロジスティクス部門長として日本国内の物流センター運営を行う。2007年楽天グループ株式会社入社。物流準備室長、物流事業長を歴任した後、2010年に楽天物流を設立し、代表取締役社長に就任。2012年に楽天執行役員物流事業長、Alpha Direct Service SAS(仏)マネージングディレクターなどを歴任。2015年4月GROUND設立。共同創業者・代表取締役社長に就任。現在に至る。

引用:https://prtimes.jp

AMRが切り拓くスマート物流の未来

物流施設の生産性向上と多様な人材が活躍できる環境づくりは、今後のサプライチェーン改革に不可欠な要素である。GROUNDと日本通運による今回の取り組みは、AMRの可能性と実用性を示す好事例となった。物流現場のDX化や自動化は加速度的に進んでおり、自律型ロボットの導入はもはや特別なものではなくなるだろう。編集部としても、今後の多拠点展開や新たな実証事例に注目し、物流ソリューションの進化を追っていきたい。

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