【スマートファクトリーJapan リポート】火力発電所で培った技術で異常兆候を事前に把握
2024/10/08
2024年9月18日(水)~20日(金)、生産性の向上につながる技術・製品などを展示する「スマートファクトリーJapan 2024」が、東京ビッグサイトで開かれた。展示されたソリューションのなかから、火力発電所で培った技術で工場設備の異常兆候を事前に把握するサービスを紹介する。
モノづくり現場の
先進化・効率化を目指す展示会
スマートファクトリーJapan 2024は、スマートファクトリーを実現するうえで欠かすことのできない情報管理・処理システムをはじめ、製造設備・装置、その他、生産工場に関する技術・製品を展示する。スマートファクトリー化は、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するうえでも重要な要素となる。これからのモノづくり現場の先進化・効率化に向けた各種技術・製品・サービスのPRの場として、製造工場の関係者のあいだで注目を集めている。
火力発電所で培った技術で
異常兆候を事前に把握
東北電力の展示ブース
東北電力の「よりそう異常兆候監視サービス ASYOMI(アスヨミ)」は、火力発電所で培った技術で工場設備の異常兆候を事前に把握するサービスである。温度、振動、圧力などの正常な運転データを使用して、火力発電所のシステムで異常兆候検知モデルを作成し、各運転データの本来あるべき状態を算出する。あるべき状態とリアルタイムデータを比較し、差異が発生した場合に異常兆候として、お客さまにお知らせする。あるべき状態の見える化により、運転員の技量や勘によらない定量的な設備監視を提供する。
よりそう異常兆候監視サービス ASYOMI(出典 東北電力)
火力発電所設備に関わらず、冷凍機やコンプレッサ、モータなど幅広い設備で、あるべき状態を算出でき、実際に鉄鋼、製紙、飲料などの製造工場で実績を上げている。インターネットとは切り離された回線を利用するため、運転データの流出や外部からの侵入リスクがなく、高いセキュリティを確保できる。さらに、DXやデータサイエンスだけではなく、火力発電所運用を経験した東北電力の技術者が監視・分析し、お客さまと同じ設備ユーザ目線の寄り添ったサービスを提供する。設備のリアルタイムデータを連係してサブスクリプションのみで、火力発電所の異常兆候監視を安価に利用することができるので、まずは無料の効果検証をお試しいただきたい。
DATA
東北電力株式会社
よりそう異常兆候監視サービス ASYOMI説明動画
取材・文/ 高橋健一