【業界ワード】Scope3
2024/04/19
Scope3(スコープ3)は、製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまでの過程において排出されるサプライチェーン排出量(温室効果ガスの量)である。Scope1(自社での直接排出量)・Scope2(自社での間接排出量)以外の「その他の間接排出量」を指す。
温室効果ガスの排出量を
3つに区分け
物語でわかるサプライヤー排出量算定(出典 環境省)
事業者が行う原材料調達、製造、物流、販売といった、利用者に製品が届くまでの一連の流れをサプライチェーンという。サプライチェーン排出量は、この一連の流れの中で排出されるすべての温室効果ガスを指す。自社からの直接的な排出のみならず、自社活動に伴う間接的な排出を含む、事業活動に関係するすべての温室効果ガスの排出量を指している。
サプライチェーン排出量は、Scope1、Scope2、Scope3に区分される。わかりやすく説明すると、Scope1は燃料の燃焼による直接排出、Scope2は電気の使用による間接排出、Scope3はそれ以外の間接排出すべて、である。サプライチェーン排出量 = Scope1+Scope2+Scope3と規定されている。
サプライヤー排出量
自社排出量の4倍に
サプライチェーン排出量のイメージ図(出典 環境省)
サプライチェーン排出量は「国際的な基準」として、国際機関「GHGプロトコルイニシアチブ」で基準が定められている。世界共通の基準で算定されることで、各国共通、または国を越えた事業においても同じ基準で評価されるようになる。すでに多くの企業が、自社からの排出量を削減するのみではなく、サプライチェーン排出量を算定し、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減や業務効率化の実現に取り組んでいる。
サプライヤー排出量は、自社排出量の4倍にのぼるというデータもある。自社で排出量削減に取り組んだとしても、取り引き先や輸配送業者、製品やサービスの提供先も含めて取り組まなければ、サプライヤー排出量を大きく削減することができない。
DATA
取材・文/高橋健一