注目キーワード

自動化・ロボット

“倉庫の全自動化”を実現する次世代Skypodシステム、Exotec社が発表

物流DXの次なるステージへ。Exotecが発表した次世代Skypodは、倉庫の未来を先取りする“完全自動化型”ロボティクスだ。

物流業界の効率化と自動化が加速する中、フランス発の倉庫ロボット企業Exotecが、既存のSkypodシステムをさらに進化させた次世代モデルを発表した。注目すべきは、ピッキングから梱包、順立て、バッファーまでを1つのシステムで完結させる“オールインワン型”への進化だ。倉庫内の設置面積を削減しながら、高密度保管と高処理能力を両立させる今回のアップデートは、BtoB・BtoCを問わず多様な物流現場に対応する柔軟性を備えている。サプライチェーン全体の最適化を見据えた設計思想は、今後の物流DXの中核となる可能性を秘めている。

以下、Exotec Nihon株式会社のプレスリリースより。

Exotec、「Skypodシステム」の次世代モデルを発表 オールインワン型倉庫ロボティクスとして倉庫内のあらゆる工程に対応

Exotec Nihon株式会社
2025年2月7日 16時30分

バッファー機能、自動順立て機能、ピック&パックなどの複数の付加価値機能を搭載し、入庫から出庫までをトータルで自動化

2025年2月7日、[東京] – 世界的な倉庫ロボットプロバイダーであるExotec SAS(本社フランス、クロワ市 CEO ロマン・ムーラン、以下 Exotec)の 100%子会社である Exotec Nihon 株式会社(東京都港区 代表取締役 アジアパシフィック地域社長 立脇 竜、以下 Exotec Nihon)は本日、倉庫内業務をより広範に効率化する次世代のSkypod®︎ システムを発表しました。 本システムは、さらなる高能力化を図り、より高密度のラック(保管棚)・先進のソフトウェア機能を備えます。

次世代のSkypodシステムは、従来品と比較しよりコンパクトになった新型ロボット、ロボット間でのピッキングのためのワークステーション 、高い処理能力を持つエクスチェンジャー、より高密度のラック(保管棚)など、倉庫内業務をさらに効率化するための製品改良、機能改善が施されています。これらの製品改良と新しいソフトウェア機能を組み合わせることで、1台のワークステーションでの処理能力は従来品よりも50%、保管能力は最大30%向上します。

Skypodシステムは、B to B 、B to C向けのピースピッキングとケースピッキングの両方に、1システムで対応することができます。また、オムニチャネルや多様化する消費者ニーズに今まで以上に柔軟に対応できるようになりました。さらに、従来は外部機器や複雑なサブシステムを必要としていた高付加価値のロジスティクス機能にも1システムで対応しています。これにより、お客様はコンベヤ、ソーター、外部ストレージ、梱包ステーションなどの各種倉庫内システムをSkypodシステムに集約し、システムの設置面積を大幅に削減できます。

次世代のSkypodシステムの主な新機能は以下の通りです。
●バッファー機能
次世代のSkypodシステムは、システム内でバッファーすることができます。ワークステーションでピッキングした梱包前の仕掛品、梱包済み段ボールなどを、出荷準備や荷合わせのタイミングまで一定期間ラック内に保管可能です。ステージングエリアやその他の外部バッファーシステムを削減できます。

●配送工程全体を把握した厳密な順立て機能
次世代のSkypodシステムでは、Skypodロボットとエクスチェンジャーを使用し、各注文に対して自動順立て出庫が可能です。ロボットが注文をグループ化し、指定した順序でエクスチェンジャーに搬送します。これにより、商品の配送ルート、配送先店舗の棚割り、その他の荷降ろし要件に基づいたパレット、コンテナ、トラックへの正確な積み込みを、Skypodシステムのみで実現できます。

●ピック&パック(梱包作業の統合)
次世代のSkypodシステムでは、ピッキング工程における梱包作業も統合できます。オペレーターが出荷用コンテナ(出荷箱)に直接ピッキングするため、出荷箱への移し替えが不要になります。ロボットが適切なサイズの出荷用コンテナを自動で選定するため、出荷箱への充てん率を向上させます。さらに、製函機・封緘機などのパッケージングソリューションと非常に相性が良く、これらのソリューションを次世代のSkypodシステムと連携させることが可能です。

Exotec®のCEO兼共同創設者であるロマン・ムーランは、次のように述べています。
「次世代のSkypodシステムの設計にあたり、今後10年以上にわたり倉庫内業務オペレーションの効率と卓越性の業界標準となるソリューションを開発することを目指してきました。ケースピッキングとピースピッキング作業の統合による生産性の向上や、順立て機能によるトラック積載率向上など、Skypodの革新的な機能を活用することでサプライチェーン全体の最適化を目指すお客様を支援します。」

Exotecでは、進化し続ける市場ニーズと顧客からのフィードバックをふまえた次世代のSkypodシステムを開発してきました。過去2年間、Exotecは次世代のSkypodシステムをパイロットプロジェクトとして、パートナーシップを締結した特定のお客様へ先行して提供してきました。Oxford Industries (Tommy Bahama, Lilly Pulitzer, Southern Tideなど)、Grainger、および E.Leclercなどの企業に対し、計20件以上、総額4億ドル規模のプロジェクトに既に導入しており、各社のサプライチェーン・オペレーションを最適化しています。

E. Leclerc SeclinのCEOであるマクセンス・モーリス氏は次のように述べています。
「当社は、Exotecの高密度保管と運用の柔軟性を評価し、導入を決めました。ロボット技術の進化により、Skypodシステム内に広いバッファー領域を設けることができ、出庫に際してもSkypodシステムのパフォーマンスを享受できるようになりました。当社は、お客様がネットで注文した商品を、車でピックアップするいわゆるドライブスルー型店舗を運営しています。以前はお客様がドライブスルーに到着してから商品を受け取って出発するまでに10~15分かかっていましたが、Exotecのソリューションを導入したことで、現在では5分以内に完了しています。」

次世代のSkypodシステムの詳細については、www.exotec.comをご覧ください。
引用:https://prtimes.jp/

物流の未来像を示す次世代システム

倉庫内の全工程を自動化・統合する次世代Skypodシステムは、物流業界における“フルオートメーション”の新たなベンチマークとなりそうだ。外部システムへの依存を減らし、オムニチャネル化が進む中で多様化する物流ニーズにも柔軟に応えるこのソリューションは、日本の倉庫現場でもその真価を発揮するだろう。Exotecが提示するこの進化系Skypodは、単なるロボティクス技術の更新にとどまらず、物流そのものの在り方に一石を投じる存在といえる。詳細はExotec公式サイトにて確認できる。

関連記事

アクセスランキング

  1. 三菱電機、富士通、パナソニック 電機大手3社が過去最高益 2024年3月期連結決算...
  2. 国の「ロボット新戦略」から10年。海外製ロボットの革新に日本はどう立ち向かうべきか。...
  3. “倉庫の全自動化”を実現する次世代Skypodシステム、Exotec社が発表
  4. 製造装置・工作機械の世界市場 2028年には1.5倍以上と予測
  5. 政府が事業者向けの統合版「AIガイドライン」を策定 人間中心など10原則...
  6. 製造業向けロボット市場 2028年には2兆円を突破
  7. 生成AI関連の国内市場 2028年度には23年度比12倍以上に拡大
  8. 【ものづくり太郎の日本の製造業「超」進化論】国家戦略のビジネス化とAIの驚異、世界で勝ち残るためのマインドとは?...
  9. 溶接の未来が変わる!協働ロボでスマート生産
  10. 産業用ロボットとAIの融合が開く新たな可能性 ティーチングの自動化も

フリーマガジン

「FACTORY JOURNAL」

vol.04|¥0
2024/12/20発行