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製造業のデジタル化をトータルでサポート! ~ 三菱電機のファクトリーオートメーション ~

製造業を取り巻くさまざまな課題を“実装フェーズ”で解決するショールーム、それが東京・秋葉原にある三菱電機の「東日本FAソリューションセンター」だ。「見る」「試す」「学ぶ」がそろった共創型施設で課題を発見・解決しよう!

メイン画像:リチウムイオン電池の模擬製造ライン

課題の掘り起こしから
実装ステージまで

東日本FAソリューションセンターには、工場管理者や生産技術者といった製造業に携わる見学者が全国各地から日々訪れる。このショールームに足を運ぶメリットは大きく2つ。実際に動くデモ機とシステムを間近で見られること。そして、製造現場の課題をどのように解決できるかを具体的なソリューションをもとに議論できること。来訪者は、議論することで、取り組むべき“真の課題”が明らかになるという。

FAデジタルマーケティングセンターの小川律子さんは、「多くの場合、現場からも管理者からも見えにくいところに真の課題が潜んでいます。ここでお客様やSIerの課題を掘り起こし、実装に向けた提案まで議論することが可能です」と説明する。

三菱電機は製造業のデジタル化の先駆けとして、2003年よりFA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」を展開し、昨今はデータ活用とソフトウェアの強化に注力してきた。外観検査にAIを活用した外観検査ソフトウェア「MELSOFT VIXIO」や、離れた場所からでも現場設備のリアルな動作を把握できるSCADAソフトウェア「GENESIS64™」を開発している。

「外観検査ソフトウェア『MELSOFT VIXIO』は、AIを活用することで色むらや汚れ、異物混入など通常の画像処理検査では自動化が難しい目視検査工程に導入されています」と話すのはFAデジタルマーケティングセンターの安部潤一郎さん。

リリース直後から注目されているのは、2024年1月に受注開始したロジックシミュレータ「MELSOFT Mirror」だ。「生産設備の立ち上げ前に制御システムを実機レスで机上検証することができるので、製造ライン構築が効率化し、手戻りや調整の作業が削減できます」と安部さんは語る。

 

眼前に繰り広げられる
模擬製造ラインと産業用ロボット


3Dシミュレータ「MELSOFT Gemini」

ショールームの入り口からすぐの場所に展示されているのが、リチウムイオン電池の模擬製造ラインだ。開発中の「リニアトラックシステム」による電池セルの「搬送」から産業用ロボットによる「組み立て」、前述の外観検査ソフトによる「検査」など、三菱電機のFA機器と技術を結集した、一連の作業を見ることができる。ラインの上部には3Dシミュレータ「MELSOFT Gemini」 のシミュレーション画面、監視制御を行うSCADAソフトウェア「GENESIS64™」による、ラインおよび工場の監視画面がモニタに映し出される。

3Dシミュレータ「MELSOFT Gemini」では、「作業員やロボット、無人搬送車の最適な配置がわからない」、「潜在的な設計ミスを事前に発見して手戻りを削減したい」といったニーズに対応している。デジタル上で複数のレイアウトを比較しながら、生産能力を検証して、最も生産性に優れたものを採用し、設備の検討と構築業務を効率化する。

ショールームには、次世代ものづくりを実現する産業用ロボット「MELFA FRシリーズ」も展示されていた。(6月10日からは別展示)新制御「MELFA High Drive」を搭載したロボットが従来製品と並列で展示され、それぞれの動きの違いが比較できる。整定時間が30%短縮され、軌道精度が最大80%改善された新制御搭載ロボットの勇姿は圧巻だ。

 


産業用ロボット「MELFA FRシリーズ」さらなる高速高精度を実現!
ロボット動作範囲約70%で、速度・精度バラツキを改善。独自制御システムにより軌跡精度は最大80%、整定時間短縮によりサイクルタイムは最大30%改善した産業用ロボットMELFA FRシリーズ。

コストを抑えるニーズにも対応し、初期費用248万円から導入できる移動式卓上ロボット「KaRy」も展示している。(カナデン社製品) 産業用ロボットでありながら安全オプションを追加することで、安全柵なしで使用できる。シーケンサ、HMIも標準装備、サンプルプログラムも用意されており、工場内の配置変更や急な作業員の欠勤が相次いで生産管理がたいへんという工場管理者の方々に喜ばれている。


初期費用248万円から導入。移動式卓上ロボット「KaRy」
「狭くてロボット導入検討ができない」「人協働ロボットによるタクトタイムが不安」を解決。柔軟な位置変更が可能なキャスター付きで、基本機能を搭載した産業用ロボット。

FAシステム事業は、三菱電機の収益の柱の一つで、2025年度に売上高1兆円(2022年度実績は8438億円)の目標を掲げる。

東京・秋葉原のショールームには、期間限定の企画展示やセミナーを行うイベントエリアもある。別フロアには、ロボットやセンサーなどの各種製品をテストできるエリアや、トレーニングスクールも用意されている。まさに「見る」「試す」「学ぶ」がそろった共創型施設なのだ。製造業を取り巻く環境が激しく変化するなか、課題発見・解決のためにも、一度は足を運ぶ価値のある施設であることは間違いない。

 

問い合わせ


三菱電機株式会社東⽇本FAソリューションセンター
東京都台東区台東1-30-7 秋葉原アイマークビル1階

※展示物は取材当時と異なる場合があります。


取材・文:脇谷 美佳子

FACTORY JOURNAL vol.2(2024年夏号)より転載

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