イワサキが在庫管理DXを実現 100万円と業務時間削減
2025/06/17

製造業の現場改革が進む中、株式会社イワサキは生産管理クラウド「SmartF」を導入し、在庫コスト100万円削減と業務時間150時間の削減に成功した。経済産業省とNEDOが策定した「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」に準拠したDX事例として注目される。
製造現場のDX(デジタル変革)は、生産効率やコスト削減だけでなく、業務そのものの在り方を大きく変えつつある。今回、板金加工をはじめとした多様な金属加工を手掛ける株式会社イワサキが、生産管理クラウド「SmartF」を導入し、在庫管理の大幅な効率化に成功した。経済産業省とNEDOが策定した「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」に沿った改善により、在庫コスト削減や業務時間の削減といった具体的な効果が表れている。現場課題を可視化し、標準化とデジタル化を進めるこの取り組みは、製造業におけるDX推進の有効なモデルケースとなるだろう。
以下、株式会社ネクスタのプレスリリースより
株式会社イワサキ 生産管理SaaS導入で100万円の
在庫コスト削減や業務時間の削減に成功株式会社ネクスタ
2025年3月24日 12時20分経産省とNEDO策定の「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」に沿った業務改善で、DXを実現。
株式会社イワサキ(大阪市住之江区緑木1-4-25)はこのほど、株式会社ネクスタ(大阪市北区)が提供する生産管理クラウド「SmartF」の導入と、導入に伴うコンサルティングの効果として、大幅な業務改善を実現しました。
ネクスタでは自社サービスである生産管理クラウド「SmartF」を導入する事業者に対して業務改善コンサルティングを行っています。
今回の事例は経済産業省とNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構)が提示する「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」※をもとに策定された「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」における変革課題マップの「23. サプライチェーン上の主要な在庫が見える仕組み」 「33. 人のスキルに依存しないものづくりの仕組み」に該当します。
※製造産業局「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」2024年5月
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf
「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」とは
日本の製造業の競争力強化と持続可能な成長を支援する目的で、経済産業省(METI) が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) および 株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC) と共同で策定したガイドラインです。
ガイドラインにはサプライチェーンの強靭化や、業務のデジタル化、ものづくり全体の最適化を推進するための具体的な指針がまとめられています。また、製造事業者が実践に落とし込めるよう、スマート化実践事例から共通性の高い57項目の課題を体系的に整理した「課題変革マップ」が提示されています。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)経済産業省(METI) 製造産業局「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」令和6 年6 月初版, p. 20参照
詳細はこちら ※NEDO Webサイトに移動します。
SmartF導入の背景と目的
板金加工からパイプ加工など、幅広い金属加工品を企画・設計から組立までワンストップで行えるイワサキでは、在庫管理のDXを実現するためにSmartFを導入しました。
■効果
【100万円の在庫コスト削減】
かんばん方式で発注していた部品のうち7割は在庫ゼロの状態でも問題なく手配できると判明し、発注点の設定や余分な在庫を抱える必要がなくなった。その結果、年間100万円の在庫コスト削減に成功し、二重発注もゼロになった。【年間72時間の在庫確認時間を削減】
入荷管理のデジタル化でバーコードでリアルタイム更新が可能となり、現場と購買担当間で発生していた年間72時間の入荷確認時間を削減できた。【年間80時間の発注業務時間を削減】
ベテラン社員に依存していた発注業務の標準化を実現。発注に費やしていた年間80時間の業務時間を削減できた。■システム導入担当者コメント(株式会社イワサキ)
■導入コンサルタントコメント(株式会社ネクスタ)
株式会社ネクスタ 川田理一郎
SmartFの詳しいサービス内容はこちら
株式会社ネクスタ
Vision「日本経済に最大のインパクトを」
従来不可能とされてきた、完全ノンカスタマイズの生産管理システム「SmartF」。単なるシステム提供にとどまらず、徹底した業務改善コンサルティングで、日本最大産業・製造業の生産性向上にコミットします。
目指すのは、製造業の収益を5%改善させ、製造業就労者の給与水準を20%上昇させること。
この事業を通して、日本経済にこれまでにないインパクトを与えます。
製造業DXは「人」と「現場」から進化
製造業DXの本質は、単なるシステム導入に留まらず、現場で働く人々の業務負荷軽減やスキル標準化に直結する点にある。今回のイワサキの取り組みは、ベテラン人材のノウハウに依存しがちな発注業務や在庫管理を可視化・効率化することで、次世代の製造現場の在り方を示している。ネクスタが提供する「SmartF」は、こうした課題解決型のDXツールとして、製造業の収益性向上や人材活用の最適化に寄与する存在である。今後も本メディアでは、現場起点のDX事例を通じて、日本のものづくりの進化を後押しする情報を発信していく。